そういえばキューブドラフトをしていて緑に触ったことがほとんどなかった。そして対戦していてよく負けるのが、その緑のデッキだった。
 なんの変哲もない緑のデッキだが、いつも気付いたら負けていた。マナクリーチャーから早いターンに出てくるレアに対処できないのだ。
 緑絡みにはライフゲインできるカードも含まれているし、単体のサイズもでかく、赤単では対処がしづらく、白単ではそもそも生物に触りづらく、こちらが1.2.3.4と展開しても、ぴたりと止まるカードを確実にプレイされてしまう。
 青いコントロールに対しても、緑は実に多角的な攻めがあるカラーで、復讐蔦、適者生存、起源…と、厳しいカードが多い。

 そしてこのマナクリーチャー戦略こそが最も優れていると仮定して、マナクリ決めうちをすることにした。

▼マナクリ戦略

 バッパラやラノエルなどをとにかく積極的にピックし、ない場合はとにかく緑のカードをかき集めて行く(良いところだと、原初の命令や、原始のタイタンなど。)
 一色目を緑で確定してしまえば、二色目は出てきたレアにあわせることが出来る。
 白を使う場合には、マナクリを活かしたハルマゲドンがあり、緑白というカラーの性質上、赤単に強いデッキが組みやすい。

参考:緑白

《極楽鳥/Birds of Paradise(M12)》
《ジョラーガの樹語り/Joraga Treespeaker(ROE)》
《献身のドルイド/Devoted Druid(SHM)》
《ラノワールの使者ロフェロス/Rofellos, Llanowar Emissary(UDS)》
《Fyndhorn Elves》
《獣相のシャーマン/Fauna Shaman(M11)》
《復讐蔦/Vengevine(ROE)》
《ファイレクシアの変形者/Phyrexian Metamorph(NPH)》
《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary(CON)》
《弱者の師/Mentor of the Meek(ISD)》
《ロクソドンの教主/Loxodon Hierarch(RAV)》
《強情なベイロス/Obstinate Baloth(M11)》
《枝細工下げの古老/Wickerbough Elder(EVE)》
《錯乱した隠遁者/Deranged Hermit(ULG)》
《雲山羊のレインジャー/Cloudgoat Ranger(LRW)》
《目覚ましヒバリ/Reveillark(MOR)》
《太陽のタイタン/Sun Titan(M12)》
《マイアの戦闘球/Myr Battlesphere(SOM)》
《大修道士、エリシュ・ノーン/Elesh Norn, Grand Cenobite(NPH)》
《緑の太陽の頂点/Green Sun’s Zenith(MBS)》
《明日への探索/Search for Tomorrow(TSP)》
《エルズペス・ティレル/Elspeth Tirel(SOM)》
《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top(CHK)》
9《森/Forest(M12)》
6《平地/Plains(M12)》
1《活発な野生林/Stirring Wildwood(WWK)》
1《ガイアの揺籃の地/Gaea’s Cradle(USG)》

 

・いくらマナクリ戦略とはいえ、精神を刻む者、ジェイスが出たらまず使いたいと思うはず。もちろんマナクリ戦略でのジェイスは非常に強力。徴兵バントを覚えていますか?
 繰り返しいうと、マナクリ戦略の強さは、「強力レアを受けられる体制がいつでも出来る」つまり受けが広いという部分にある。
 青には強力だけど重いカードも多い。未来予知や激動など。マナクリ戦略はこれらを許容するし、中には相性が極端にいいものもある。(対立!)

参考:青緑

9《森/Forest(M12)》
5《島/Island(M12)》
《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs(ZEN)》
《ガイアの揺籃の地/Gaea’s Cradle(USG)》
《Fyndhorn Elves》
《根の壁/Wall of Roots(TSB)》
《ラノワールの使者ロフェロス/Rofellos, Llanowar Emissary(UDS)》
《草茂る胸壁/Overgrown Battlement(ROE)》
《花の壁/Wall of Blossoms(STH)》
《熟考漂い/Mulldrifter(LRW)》
《ジョラーガの樹語り/Joraga Treespeaker(ROE)》
《永遠の証人/Eternal Witness(5DN)》
《水蓮のコブラ/Lotus Cobra(ZEN)》
《原始のタイタン/Primeval Titan(M12)》
《桜族の長老/Sakura-Tribe Elder(CHK)》
《ゼンディカーの報復者/Avenger of Zendikar(WWK)》
《マイアの戦闘球/Myr Battlesphere(SOM)》
《ヤヴィマヤの古老/Yavimaya Elder(UDS)》
《枝細工下げの古老/Wickerbough Elder(EVE)》
《コー追われの物あさり/Looter il-Kor(TSP)》
《夜明けのレインジャー/Daybreak Ranger(ISD)》
《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor(WWK)》
《渦まく知識/Brainstorm(ICE)》
《激動/Upheaval(ODY)》
《緑の太陽の頂点/Green Sun’s Zenith(MBS)》
《否認/Negate(M12)》
《明日への探索/Search for Tomorrow(TSP)》
《森の知恵/Sylvan Library(5ED)》




11《森/Forest(M12)》
6《島/Island(M12)》
《アヴァシンの巡礼者/Avacyn’s Pilgrim(ISD)》
《Fyndhorn Elves》
《貴族の教主/Noble Hierarch(CON)》
《根の壁/Wall of Roots(TSB)》
《ラノワールの使者ロフェロス/Rofellos, Llanowar Emissary(UDS)》
《三角エイの捕食者/Trygon Predator(DIS)》
《皮背のベイロス/Leatherback Baloth(WWK)》
《トレストの密偵長、エドリック/Edric, Spymaster of Trest》
《献身のドルイド/Devoted Druid(SHM)》
《夜明けのレインジャー/Daybreak Ranger(ISD)》
《ムル・ダヤの巫女/Oracle of Mul Daya(ZEN)》
《ナントゥーコ自警団/Nantuko Vigilante(LGN)》
《枝細工下げの古老/Wickerbough Elder(EVE)》
《森滅ぼしの最長老/Woodfall Primus(SHM)》
《野生の狩りの達人/Master of the Wild Hunt(M10)》
《ファイレクシアの変形者/Phyrexian Metamorph(NPH)》
《対立/Opposition(UDS)》
《思案/Ponder(M12)》
《激動/Upheaval(ODY)》
《緑の太陽の頂点/Green Sun’s Zenith(MBS)》
《調和/Harmonize(PLC)》
《自然の秩序/Natural Order(POR)》
《原初の狩人、ガラク/Garruk, Primal Hunter(M12)》



これらのデッキをみればわかる通り、マナクリデッキにはアドバンテージを稼ぐカードが数多く含まれていなければならない。幸い緑には、起源や適者生存といった、無限のアドバンテージ源のカードがあるし、青緑にしてしまえばドロースペルをピックできる。とにかく、マナクリを複数枚確保できてしまえば、後でデッキを組むのは容易なことだ。
アドバンテージを取るカードが少ない赤以外であれば、マナクリ戦略はどの色とも親和する。

中でも、黒との親和性には驚かされた。

参考:緑黒

8《森/Forest(M12)》
7《沼/Swamp(M12)》
《草むした墓/Overgrown Tomb(RAV)》
《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves(M12)》
《極楽鳥/Birds of Paradise(M12)》
《深き闇のエルフ/Elves of Deep Shadow(RAV)》
《東屋のエルフ/Arbor Elf(WWK)》
《闇の腹心/Dark Confidant(RAV)》
《催眠の悪鬼/Mesmeric Fiend(TOR)》
《水蓮のコブラ/Lotus Cobra(ZEN)》
《大牙の衆の忍び/Okiba-Gang Shinobi(BOK)》
《鬼の下僕、墨目/Ink-Eyes, Servant of Oni(BOK)》
《オーランのバイパー/Ohran Viper(CSP)》
《墓所這い/Gravecrawler(DKA)》
《戦墓のグール/Diregraf Ghoul(ISD)》
《最後のトロール、スラーン/Thrun, the Last Troll(MBS)》
《ファイレクシアの変形者/Phyrexian Metamorph(NPH)》
《疫病スリヴァー/Plague Sliver(TSP)》
《ウルフィーの銀心/Wolfir Silverheart(AVR)》
《不敬の命令/Profane Command(LRW)》
《頭蓋骨絞め/Skullclamp(DST)》
《精神ねじ切り/Wrench Mind(MRD)》
《Hymn to Tourach》
《再活性/Reanimate(TMP)》
《破滅の刃/Doom Blade(M12)》
《化膿/Putrefy(RAV)》
《ファイレクシアの闘技場/Phyrexian Arena(APC)》




 このデッキは頭蓋骨絞めただ強説もあるが、それを除いてもデッキが強かった。闇の腹心がまず強いデッキだし、ファイレクシアの闘技場も、重いコントロールで使った時より、数倍は強く感じた。
 そして黒には、他のサブカラーと違い、明確な利点があった。

 それは除去とハンデスである。

 ハンデスの一部は複数枚捨てさせられるものもあるし、明確にアドバンテージが取れる。
 コントロールの使う除去は弱く、ビートダウンの除去は強い、と前回書いたが、このデッキの除去はまさに後者。そう、このデッキはマナクリデッキであると同時に、ビートダウンデッキでもある。

・マナクリ戦略にもかかわらずビートダウン?

 マナクリーチャーを出して重い呪文をプレイすることがマナクリ戦略の勝ち方ではない。マナクリ戦略の受けの広さは、この緑黒が証明してくれたのだ。
 このデッキには、軽くてアドバンテージが取れるカードがたくさん入っている。闇の腹心、アリーナ、それにヒムと精神ねじ切り。それらを序盤にマナクリから複数枚プレイできる。これがとにかく大きい。ハンデスを重ねて速やかにビートダウンすれば勝てるだろうし、ドローによってハンデスを引き込めば、それでも簡単に勝利できる。
 そして黒の軽い良質なクリーチャーもデッキに合っている。マナクリを展開することとパワー2クリーチャーを1tにプレイすることは、同じぐらいの価値があった。相手が赤単か白単でなければ、まず2/2に複数回、殴られることになる。マナクリから3ターン目に4マナのカードでも出せば、間違いなく相手に致命傷を与えることになる。

 アドバンテージを得る手段が豊富・除去がある・軽いクリーチャーがいる、この三点より、マナクリ戦略の相方として黒を選ぶ場合、デッキはビートダウンにするのが好ましい。緑黒は、マナクリがあまり取れない(1パック終わって1枚)などの場合には、積極的に目指すことにしている。通常のマナクリデッキが5枚のマナクリを必要とするのに対し、緑黒では3枚で構わない。緑黒のイメージとしては、野生の雑種犬が使えた頃のエクテンの、マーシーロック、いわゆる京都迷宮案内をイメージして欲しい。マナクリが終盤まで活躍するわけではないが、序盤でもっさりした動きをしたくないために入っている。(一応、京都迷宮案内には、装備品や陰謀団式療法によってマナクリが腐りづらい構成になっていた。が、そのような構築を、マナクリタッチ黒も出来るということでもある)


▼まとめ

・マナクリ戦略の良いところ
 白単、赤単に有利に戦える。
 色が合わずに強力レアがピックできない、という状況が、他のビートダウンをドラフトしているときよりもなりづらい。
 決めうち戦略にもかかわらず、裏目が少ない(マナクリさえ取れれば、サブカラーは色々な選択が取れる)

・サブカラー
緑青:とにかくドローが強い。マナクリは何枚あっても良い。フィニッシュには強いカードが必要(激動やゼンディガーの報復者クラス)
緑黒:軽いカード、ハンデス、除去で構成すれば良い。どれかが欠けると厳しい。マナクリの点数を少し低めに設定できる。フィニッシャー不在でも構わないが、マナクリを後半でも活かせる構成が好ましい。(死亡したとき〜が強いカードか、装備品など)
緑白:目覚ましヒバリ、弱者の師、ミラーリの目覚めのようなカードが取れた時に。進んでピックはしない、青緑にタッチして、ビートダウンに強いカードをサイドインすることが多い。

・マナクリの点数
水蓮のコブラ(10点)>ラノワールの使者ロフェロス(9点)>極楽鳥(8点)>その他1マナのマナクリ(7点)>2マナ以上のマナクリ(6点)



 以上で、キューブドラフト・ストラテジーを終了します。
 二回目が駆け足で、説明不足な部分が多々あるかもしれませんが、どうかお許しください。
 それではみなさん楽しいマナクリライフを!その前にキューブまだー?
 



コメント

nophoto
Samar
2012年8月14日16:56

Whoever edits and publishes these aritlces really knows what they’re doing.

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